婚活の会話が面接のようになったとき、どう話し直す?

カフェのテーブルに二つのカップと脇へ置かれた無地のカードを描いたイラスト

初めて会った相手と話していて、住む場所、休日、仕事のことを順に聞くうちに、「面接みたいになっているかも」と感じることがあります。婚活では確かめたい条件もあります。でも、答えを集めるだけでは、その人が日々をどう過ごしたいかは見えにくいものです。会話が質問票のようになったとき、どう話し直せるでしょうか。

条件を聞く時間と、相手を知る時間

国立社会保障・人口問題研究所の第17回出生動向基本調査は、2025年に全国の独身者と夫婦を対象に行われました。夫婦調査では、アプリ等で知り合った人の割合が前回調査より増えています。ただし、この結果は婚活中の会話の質を測ったものではありません。プロフィールを相手を知る入口にしながら、そこに書かれていない暮らし方も聞けるでしょうか。

たとえば、カフェで初めて会い、休日の話から仕事の話へ急いで移った場面です。相手が少し言葉を探しているのに気づいて、質問を止めてみます。

A「休みの日は何をしていることが多いですか」

B「最近は小さな美術館に行きました。静かなところが好きで」

A「そうなんですね。仕事は土日休みですか」

B「だいたい。でも、たまに変わります」

A「質問を続けてしまいましたね。さっきの美術館、どんなところがよかったですか」

B「人が少なくて、絵をゆっくり見られたんです」

カフェのテーブルを挟み、二人が向き合って会話しているイラスト

答えの先にある暮らしを聞く

会話を戻す一つの方法は、相手が今話したことから気になった一点を聞くことです。「どんなところがよかったですか」のように、その人の言葉へ戻れます。聞かれた側も、答えたくないことまで話す必要はありません。自分も「私は混んでいない場所だと落ち着きます」と少し話せば、質問だけが続く形を変えられるかもしれません。

米国で見知らぬ人同士の会話を調べた研究では、相手の発言を受け止める言葉や追加の質問を含む聴き方が、会話中のつながりを示す指標と関連していました。ただし、短い実験場面の結果で、婚活の成功を示すものではありません。質問の数を増やすより、今聞こえた言葉を受け取る手がかりとして読むのがよさそうです。

組織開発の対話型ODには、会話は情報を運ぶだけでなく、一緒に意味を作る場でもあるという見方があります。これは組織での知見を二人の会話へ借りた見方で、同じ効果が実証されたという意味ではありません。また、家族療法の研究者Tommは質問の意図や前提に目を向ける枠組みを示しました。相手の答えを採点するために聞いているのか、相手の見ている世界を知りたくて聞いているのか。自分の問いの向きを確かめる参考になります。診断や治療の方法として使う話ではありません。

結婚後には、同じ出来事でも受け取り方が違い、意見のすれ違いが続くこともあります。米国の夫婦を長く追った研究では、結婚初期の対立時の行動パターンと後の離婚との関連が報告されました。対象は既婚の夫婦であり、プロフィール中心の婚活が離婚につながると証明したものではありません。それでも、条件を確かめる時間の隣に、違いが出たときに話せるかを知る時間を置く意味はありそうです。

質問が続いたと気づいたら、会話をやり直してもかまいません。今日からできることは、次に誰かと話すとき、相手の答えに含まれた言葉を一つ選んで「そのどんなところが好きですか」と聞いてみることです。

今日のあなたへの問い: 相手の答えの中で、もう少し聞いてみたいと思う言葉は何でしょうか?

対話や関係性を考えるヒントを、メールマガジンでもお届けしています。よろしければご登録ください。

どんな関係も、対話から

あいだのことば編集部

あいだのことば編集部

婚活中の対話から、結婚後も続く関係づくりまで。ふたりで話し合うための考え方やヒントを発信しています。